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  1. 熊本県議会 1990-06-01
    06月16日-03号


    取得元: 熊本県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-26
    平成 2年 6月 定例会┌──────────────────┐│  第 三 号(六月十六日)    │└──────────────────┘ 平 成 二 年  熊本県議会六月定例会会議録    第三号──────────────────────────平成二年六月十六日(土曜日)    ───────────────────   議事日程 第三号  平成二年六月十六日(土曜日)午前十時開議 第一 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)    ───────────────────本日の会議に付した事件 日程第一 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)      ───────○───────出席議員(五十四名)                 大仁田 貞 夫 君                 高 野 誠 一 君                 水 野 秀 昭 君                 吉 本 賢 児 君                 村 上 寅 美 君                 草 村   照 君                 鬼 海 洋 一 君                 本 田 良 一 君                 松 村   昭 君                 久 保 立 明 君                 福 村 三 男 君                 前 田 貞 治 君                 池 田 貞 俊 君                 小早川 宗一郎 君                 岩 下 榮 一 君                 前 畑 淳 治 君                 野 田 将 晴 君                 荒 木 詔 之 君                 中 島 絹 子 君                 中 島 隆 利 君                 島 田 幸 弘 君                 島 津 勇 典 君                 大 西 靖 一 君                 倉 重   剛 君                 山 本   靖 君                 渡 辺 知 博 君                 西 岡 勝 成 君                 深 水 吉 彦 君                 阿曽田   清 君                 三 角 保 之 君                 永 田 健 三 君                 堀 内 常 人 君                 山 本 秀 久 君                 八 浪 知 行 君                 鏡   昭 二 君                 髙 田 昭二郎 君                 古 閑 一 夫 君                 大 森   豊 君                 馬 場 三 則 君                 古 閑 三 博 君                 平 川 和 人 君                 北 里 達之助 君                 広 瀬 博 美 君                 柴 田 徳 義 君                 金 子 康 男 君                 米 原 賢 士 君                 小 材   学 君                 八 木 繁 尚 君                 幸 山 繁 信 君                 池 田 定 行 君                 小 谷 久爾夫 君                 水 田 伸 三 君                 今 井   洸 君                 酒 井 善 為 君欠席議員(なし)   ────────────────────説明のため出席した者          知事     細 川 護 熙 君          副知事    山 内   新 君          出納長    伴   正 善 君          総務部長   板 倉 敏 和 君          企画開発部長 飯 原 一 樹 君          福祉生活部長 東 瀬 偉 一 君          衛生部長   星 子   亘 君          環境公害部長 佐 藤 幸 一 君          商工観光労働          部長     東 坂   力 君          農政部長   木 村 剛 勝 君          林務水産部長 木 村 幸次郎 君          土木部長   杉 浦 健 次 君          公営企業          管理者    小 澤   豪 君          教育委員会          委員長    安 永 蕗 子 君          教育長    松 村 敏 人 君          警察本部長  村 井   温 君          人事委員会          事務局長   中 島 伸 之 君          監査委員   野 口   浩 君   ────────────────────事務局職員出席者          事務局長   松 見 廣 海          事務局次長  中 島 太 白          議事課長   清 塘 英 之          議事課長補佐 宮 﨑 博 次          主事     小 池 二 郎      ───────○───────  午前十時五分開議 ○議長(北里達之助君) これより本日の会議を開きます。      ───────○─────── △日程第一 一般質問 ○議長(北里達之助君) 日程に従いまして、日程第一、一般質問を行います。 発言の通告があっておりますので、これより順次質問を許します。 なお、質問時間は一人九十分以内の質疑応答でありますので、さよう御承知願います。 福村三男君。  〔福村三男君登壇〕(拍手) ◆(福村三男君) おはようございます。昨日の代表質問に続きまして、きょうは一般質問の冒頭でありますが、関係の先生方の御理解をいただきながら一番バッターとして質問の機会を得まして、心から感謝を申し上げる次第でございます。なるべく土曜日でもございますので速やかに質問をさせていただき、なおまた、執行部においては、わかりやすく、明確にひとつ御答弁を御期待申し上げながら、質問に入らしていただきたいと思います。 熊本と韓国の友好関係についてお尋ねをいたしたいと思います。 韓国の盧泰愚大統領が、去る五月二十四日、日本を公式訪問されましたが、日韓は未来に向かってよきパートナーでなければならない、近くて遠い隣国でありましたこれまでの現実と過去を直視した発言がなされたわけであります。 日本の植民地支配三十六年の過去にさまざまな韓国国民のつらい思いは、天皇陛下に明確な謝罪としてのお言葉を要求いたしました。昭和天皇が、六年前、全斗煥大統領訪日に際し、遺憾の意を述べられましたが、これをさらに一歩踏み込んだ謝罪には、天皇の国事行為をめぐる憲法上の制約があり、応じられないものと思われておりました。しかし、天皇陛下は「不幸な過去が存したことは誠に遺憾」という昭和天皇のお言葉を引用された上で、率直に御自身のお気持ちをあらわされたのであります。「貴国の人々が味わわれた苦しみを思い、私は痛惜の念を禁じ得ません。」とお述べになられました。また、海部首相も、謙虚に受けとめ率直におわびすると述べ、衆参議長も遺憾の意を表明をいたしました。このような陛下のお言葉に対し、盧泰愚大統領は、お言葉は「国内的制約を少し超えたと思えるほど明白な謝罪であり」日韓問題の「核心は」「解決された」と語りました。また、五月二十五日、韓国元首として初めて衆議院の本会議場で演説し、「今こそ政治、経済的協力の次元を超えた包括的善隣友好の時代に移行しなければならない」と過去の清算を宣言したのであります。国際情勢の大きな変化と世界的な緊張緩和のリズムの中で、アジア・太平洋地域の平和と繁栄に向け、日韓の果たす役割はさらに大きなものになることでしょう。 一九八三年、昭和五十八年、本県は、韓国・忠清南道姉妹都市を結び今日にありますが、これまで少年の船や少年の翼など人的な交流を初め、文化、スポーツ、教育、経済等々、多面にわたり交流が進められておりますが、今後、反日感情の核としてあった植民地時代の過去がぬぐい去られたことによりまして、善隣友好はさらに進むものと存じますが、これまで韓国人から見る我が熊本県のイメージの中で最も鮮烈なものは、加藤清正であり、小西行長でありました。 加藤清正公朝鮮出兵の歴史的な事実を有する本県といたしまして、新しい日韓の幕開けの中で、熊本と朝鮮の歴史的出来事を、どのように位置づけ、国際交流を展開すべきであるか、知事の御所見を承りたいと存じます。  〔知事細川護熙君登壇〕 ◎知事(細川護熙君) 我が国と韓国との関係において、今回の大統領の訪日は、相互に真のパートナーとして今後の日韓新時代を構築していく上で重要な意義があったものと考えております。本県と韓国との間では、昭和五十八年一月に姉妹関係を結んだ忠清南道との交流を中心に、国とは別の地方独自の交流を積み重ねてきているわけでございますが、今後とも、近くて近い国の関係が確立するように、さまざまな取り組みをしてまいりたいと思っております。 これまで、この姉妹関係を通じまして、全国で初めて忠清南道庁に県職員を派遣し、また、同庁からも本県に職員が派遣されておりますし、他方、民間の団体でもさまざまな交流が行われておりまして、特に昨年二月には韓国からの修学旅行生を日本で最初に受け入れたりしております。また本年、熊本県立女子大学には、姉妹提携校である忠清南道祥明女子大学校の学生が今月末から来月初旬にかけて訪れるなど、青少年人的交流も活発化してきていることは御承知のとおりでございます。 文部省では、日韓関係についての歴史教育周知徹底指導を実施していると聞いておりますが、熊本が有する歴史的な事実につきましても、お互いの理解を一層深めていくことが何よりも大切であると考えておりまして、今後とも広く人的、文化的交流を推進していくことによりまして、相互理解が促進され、両国の過去についても率直に話し合えるようになることを期待しているところでございます。  〔福村三男君登壇〕 ◆(福村三男君) 次に進みます。 大規模小売店舗法規制緩和問題についてお尋ねをいたします。 日米構造問題協議の焦点の一つでありました大規模小売店舗法、いわゆる大店法の規制緩和が、昨年六月、政府関係審議会においてまとめられました「九〇年代流通ビジョン」を大幅に踏み込んだ内容で見直しが決まりました。 去る五月三十日から通達の改正が実施され、規制緩和が図られているところでございますが、御承知のとおり、改正された内容の主なものは、まず、出店調整期間が従来明確には定められてなかったものが一年半という枠を設けられたこと、また、国の第一種大規模店舗については、人口三万人に満たない小規模な市町村と大型店延べ店舗面積が人口などに比べ相当水準に達している自治体を、従来出店抑制地域に指定しておったわけでありますが、この制度を見直したこと、また、地方公共団体独自規制の是正などであります。今までに比べまして大型店の出店がしやすくなったということであります。 大店法の目的そのものが、消費者の利益の保護からいたしまして、規制の緩和は進めば進むだけ、消費者利益の追求と流通の近代化を促進し、法の目的に沿うことではありますが、その反面、小売業の正常な発達を図ることもまた法の目的の一つであります。このようなことから、適切な助言や指導により共存の道を開くことも重要であろうかと思います。 今回の省令通達の改正に引き続き、法改正を含めた抜本的な見直しが予測をされているわけであります。通産省が現時点で明らかにしています改正点を見ましても、まず第一に、出店調整期間は一年程度に短縮されるであろう、また二つ目に、輸入品売り場に関する特例措置の拡大がなされるであろう、第三に、商調協を公的な機関にするかどうかということであります。第四に、三年後にさらに再度大幅な見直し等々があるであろうということであります。 今日まで、県下各地における大型店の出店によりまして、地元の中小小売業への影響は多大なものがございました。それでも、これまではこのような調整のシステムがそれなりに機能をしていたと思います。将来は、この調整機能はなし崩しになるのではないかと大変心配、懸念をするものであります。 零細ではありましても、地元小売店の果たしてきた役割は大なるものがあります。身近にあって、隣近所のコミュニケーションの場でもあり、主婦がふだん着のまま、あるいはまた、げた履きのままに買い物に行けるといった、気安い利便性というものを消費者に与えてきたと思います。このことは、本県の小売店舗数約二万六千店のうちに、中小小売店がその九八%を占めている現実からも明らかであります。しかし、最近は、新聞などで報道されておりますように、規制緩和と軌を一にしたように、大型店の出店が県下各地で取りざたされ、地元商店街を支えてきた商店主の方々の先行きに対する不安の声は日増しに強くなっております。関係者の方々の不安も無理からぬことと思うのは私ばかりではないと思うわけであります。 今回の規制緩和というのは、消費者志向多様化国際化の進展など、時代の流れからやむを得ないものとは理解をいたしますが、今後二、三年のうちに大きく規制緩和が実施されるというのであれば、それに対応できるような足腰の強い中小企業の育成、今日まで地元商店街が果たしてきた役割やまちづくりの観点からいたしましても緊急に取り組んでもらわなければならない問題であろうと思います。重要な課題であると私は率直に意見を申し述べる次第であります。 そこで、本定例会冒頭におきまして、知事の説明要旨におきまして、この対策についての概要は理解いたしますものの、具体的な取り組みについてお尋ねをいたしたいと存じます。 まず第一点といたしまして、今回の通達の改正で、出店調整手続が具体的にどのように変わったのかということでございます。 続いて第二点として、自治体の独自規制の是正がうたわれておりますが、本県といたしまして、そのことについてどのような方針になっていくのかということでございます。 続きまして第三点目といたしまして、今申し上げましたように、大型店に負けないような商店街をつくるために、どのような今後の対策をお考えであるか。 最後になりますが、つい最近のテレビ、新聞等によりまして、小川町あるいは南関町、宇土市といったところに、県下各地に数々の大型店出店の動きを聞くわけでありますが、県下における大型店出店の動向について、今どのような動きにあるのか、商工観光労働部長にお伺いをいたしたいと思います。  〔商工観光労働部長東坂力君登壇〕 ◎商工観光労働部長(東坂力君) 大規模小売店舗法規制緩和に関連してのお尋ねでございますが、まず第一点の、大型店のいわゆる大規模小売店舗法にいいますいわゆる大型店出店調整手続が具体的にどう変わったかでございますけれども、今回の通達では、まず、これまで明確な規定がなかった出店調整期間につきまして、今回一年半以内で処理するよう手続の迅速化が図られましたこと、それから、これまで地元の同意を得た上で申請が受理されていたものが、出店抑制地域での出店申請については、今後は地元の意見を申請者に通知することで申請が受理されることになったこと、輸入品専門売り場につきましては、百平米までの増床が出店調整対象から外されたこと、閉店時刻休業日数が緩和されたこと等でございまして、出店調整につきましては、これからも商業活動調整協議会等の場におきまして、店舗面積休業日数等につきまして審議されまして、従来どおりの地域の実情を踏まえた調整活動が行われるものでございます。 次に、第二点の地方公共団体独自規制に対します県の考え方でございますが、本県の小売商業活動の調整に関する要項では、店舗面積三百平米以上五百平米以下の中規模店の出店につきまして、大規模小売店舗法に準じた取り扱いが定められているところでございます。今回の通達で是正が求められている法の趣旨を逸脱するようなものではないと考えております。また、市町村における独自規制につきましては、基本的には市町村独自の問題であると考えますが、行き過ぎた規制がないよう今回の通達の周知徹底を図ったところでございます。 それから、第三点の大型店に負けない商店街づくりにつきましては、これまでも中小小売業に対する対策としまして、共同店舗の設置、商品管理システムなどの情報化の推進、各種融資制度の拡充等の支援策を講じてきたところでございます。また、商店街を潤いの場とする公園の設置やアーケードの整備等を進めますほか、商店街振興組合等商店街活性化のために行います町並みや景観の整備計画の策定を支援するための中小商業活性化基金を設置する等、まちづくりの視点に立った施策も推進しているところでございます。 いずれにしましても、今回の改正、今後の見通し等中小小売業者にとりましてはこれまでにない大きな環境変化が予測されておりまして、現在、国におきましても、まちづくり商業集積リフレッシュ事業等のほか、個店対策も含めました相当思い切った対策が検討されていると聞いているところでございます。そうした国の対策をも踏まえまして、県としましても、中小小売業者がこのような環境変化に今後十分対応していけるよう支援してまいりたいと考えております。 それから、第四点の本県における大型店の出店の動向でございますが、現在本県に出店表明があっております大型店は三十件、店舗面積で約二十二万平米の計画となっております。このうち、この一年内の出店表明は二十三件であり、今後の出店動向について注目しているところでございます。  〔福村三男君登壇〕 ◆(福村三男君) 県下における大型店の出店の状況が大変気になるところでございますが、現在において三十店のそういった動きがあるというようなお話を聞きました。つい先日までは、農業問題に関して、オレンジだ、あるいは牛肉だということを言っておりましたけれども、まさかにわかに、お隣の豆腐屋さんが、あるいは八百屋さんが、野菜屋さんが、まさかこんなにこう肉屋さんがなるとは思いもしませんでした。日米構造問題協議といった国際的な問題というものが、まさに我々の日常の暮らしの中に密接につながっているということをひしひしと感じたわけであります。 今既にもう一年半の調整期間ということになりまして、この後には一年になる。そしてしかも、おおよそ商店街皆さん方が、中小小売店が知らないうちに大規模小売店の出店というものが水面下で動きがある。そのことに対してどのように中小小売店というものは対応していかなきゃならないのか。一日も早く大規模小売店が出店をするぞという情報を知る必要もあるわけであります。この後いろいろと中小企業活性化事業という、今の新しいメニューも御発表になっておりますけれども、たしか昨年度制度としてできまして、国、県が五億ずつ基金を出し合って十億の運用益をもって、町並みのあるいは中小小売店商店街の新しい一つのまちづくりのためのソフト事業をやろうということであったろうと思いますが、そのような強い一つの支援対策というものを今後あわせて強力に推し進めていただきたいというふうにお願いをいたします。 なおまた、この問題につきましては、経済常任委員会の中でいろいろと御論議をさしていただきたいと思います。 次に進みます。 これからの警察運営に当たっての抱負についてお尋ねをいたしたいと思います。 明治八年十一月、熊本県警察本部の前身であります熊本警察が呱々の声を上げてから、ことしでちょうど百十五年目を迎えますが、草分けのときから今日まで警察行政は、常に政治、経済の激動と国民思想多様化の中で、数多くの問題と取り組み、困難を克服されてこられました。県民を守り、治安の維持に努められ、今日の民主国家の根幹を支えてこられたのであります。熊本県警の輝かしい業績と揺るぎなき伝統は、その時代、そのときに必死の思いで職務に専念してこられた警察官のまさに情熱であり、草創期以来の筆舌に尽くしがたい艱難辛苦の結晶であろうと思います。なお、陰にありましては、志半ばにして凶刃に倒れ、あるいは病に倒れられた数多くの殉職警察官のとうとい犠牲があることを忘れてはなりません。 去る四月三日付で熊本県警察本部長に就任されました村井温本部長におかれましては、着任に際し「「強く、正しく、温かく」を心がけ」「県民の立場に立った仕事、県民の信頼を得る仕事を」と県警幹部に求められたとお聞きいたしますが、熊本県警も多くの問題を抱えております。 三月定例会における八浪先生代表質問に取り上げられました青少年非行問題一つをとりましても、昭和五十九年、少年非行総合対策委員会を設置され、総力を挙げて非行防止に当たっておられるところでありますが、五十九年刑法犯少年二千三百四十三人を一〇〇%といたしますと、六十年には一一八、六十一年には一二一、六十二年一三〇、六十三年一三五、県下の少年非行は年々総量増加とともに凶悪化しつつあり、極めて憂慮すべき傾向にあります。 次代の担い手であります青少年が、社会の連帯意識を自覚し、自主性を備え、心身ともにたくましく健やかに成長することは県民ひとしく願うところでありますが、今日の急激な経済変動青少年を取り巻く社会環境の変化は、青少年の意識や行動に少なからず悪影響を及ぼし、青少年犯罪が発生しやすい生活環境家庭環境にあります。車社会による行動範囲広域化や二十四時間営業店舗などの出現による夜型社会の到来であります。 このような社会の変化の中で、熊本県警は、治安維持と百八十万県民を安らかな眠りにいざなうため、日夜努力をいただいているのであります。八浪先生の言葉をかりれば、熊本県警は一人当たり六百九十五人の人口負担率であり、福岡県警は五百七人、すなわち、熊本県警福岡県警よりも警察官一人当たり百八十八人も多く県民の治安を維持しているということでありました。大変な御苦労がうかがえる次第であります。 社会が複雑多様化し、情報化高度技術化の進展、また国際化の到来など考え合わせれば、警察の機能もさらに広がりを必要とすることでしょう。時代に即応した近代的でしかも科学的な奥深いものになるものと考えます。来るべき二十一世紀は超近代的な都市機能を有する社会になります。新しい時代を見据えた未来型の警察づくりが求められるのではないでしょうか。 村井本部長におかれましては、就任後初めての御登壇、御答弁になるわけでありますが、どのような抱負を持っておられるのか、御所見を承りたいと思います。  〔警察本部長村井温君登壇〕 ◎警察本部長(村井温君) 最近の治安情勢は、先般の幼児誘拐事件暴力団組長らによる保険金目的連続殺人事件等凶悪事件の発生を初めとしまして、交通事故の多発、少年非行の粗暴化・低年齢化、山口組等広域暴力団勢力拡大など、まことに厳しい状況にありますが、これからも、二十一世紀に向けて、経済の変動、都市化の進展、社会環境変化等に伴い、警察を取り巻く環境はますます困難なものとなることが予想されますので、ただいま御指摘のように、常に新しい時代を見据え、中長期的展望に立った対応を図っていくことが必要であると考えております。 具体的には、新しい社会構造の変化に対応するための警察署、派出所、駐在所等の組織機構の再編強化と犯罪のスピード化、広域化に対応するための初動捜査体制、特に夜間捜査体制あるいは広域捜査体制などの強化を図っていくことといたしております。また、OA機器等の先端技術を導入した装備資器材の導入やパトカー等の機動力の充実強化による警察活動の科学化、近代化の促進に努めていかなければならないと考えております。さらに、新しい時代に対応できるような優秀な人材の確保と職員の資質向上など人的基盤の充実を図るとともに、捜査手法の高度化などソフト面での改善等も行っていくことが必要だと考えております。 そして、警察は、いつの時代にあっても、その目的とするところは、県民の期待にこたえた活動を推進し、県民の安全と平穏な生活を確保するということでありますので、今後とも、県民との間に太い良好なパイプを確立し、常に県民のニーズを把握しながら県民の期待にこたえるような警察活動を推進し、治安の万全を期してまいりたいと考えております。県議会の皆様方の御理解と御協力をよろしくお願いいたします。  〔福村三男君登壇〕 ◆(福村三男君) 御答弁ありがとうございました。 これからの警察機能を高めるために、警察署の整備あるいは駐在所、派出所の整備を進めていくということもお言葉にございましたが、考えてみますと、やっぱりこの犯罪が起こりやすいような所、例えば、やはり経済的な犯罪というのは銀行がよくあるわけでありますが、とんだ発想からいきますと、銀行の上に警察署をつくったらどうかなと。絶対に襲われることはないわけであります。そういう観点からいたしますと、県庁の上に警察本部があるわけでありますが、県庁内のいわゆる盗犯というか、そういったものは余り聞いたことがありません。肥後銀行県庁支店も今警備費を払わなくても、警察本部の下にあるわけですから、安全ではないかなと思います。しかし、また逆に考えますれば、この県庁の建物の中で、十一階、十二階といった、県警が入っている所は二十四時間、これは不寝番のやかたであります。お城であります。眠ってません。しかし、一階から県警の十階までの間というものは、これはもう二十四時間態勢じゃなくて、朝少なくとも八時、八時半から夕方の五時、五時半であります。そういうような一つの全く異質なものが同じ建物に入っている。どこから警察本部の方々が出入りをされているのかわかりませんけれども、その上の方まで、最上階まで上がっていかなきゃならない。下の方はもう寝静まってだれもいないというような現況であります。 そういうものを考えましても、やはりこの機能の整備というものの中には、第二県庁舎というものを考える中において、県警本部の一つの、今おっしゃっておりましたお答えにありましたように、将来的なひとつ二十一世紀の近代的な装備の中には、そういったものも背景に考えなければいけないんじゃないかなというふうにも思うような次第であります。 時あたかも、OBの野田将晴先生が文教治安の委員長でありますので、多分論議がなされるものと期待をしながら、次に進ませていただきます。 有害図書自販機の規制強化についてお尋ねをいたします。 昨年一年間で、私は何百冊ものポルノ雑誌を見たことでしょう。厚生常任委員会の正副委員長の経験者はすべて御承知のとおりであります。熊本県少年保護育成条例第二十一条の二項に従いまして審議会委員を知事より委嘱を受けまして、結構な仕事につかせていただいたわけであります。月二回の審議会におおむね出席をさせていただきました。無言のままページをめくる音と、時折委員の呼吸ともため息ともつかぬ風音がしばし続きます。つばきを飲み込むのにすら気を使う静けさであります。真剣さとはちょっと違う独特の雰囲気でありまして、音声が消されました早送りのアダルトビデオに、残り少なくなった冷えたお茶を照れ隠しに飲んだ一年間でありました。 これまで審議会の委員を務めた経験のある方なら、おおよそこの審議会の中で、イタチごっこで無意味だと思わない人はいないのではないでしょうか。月二回開催される審議会は、ほとんど有害図書、すなわち、雑誌及びアダルトビデオテープの指定に関する諮問でありますが、県下各地に設置されている自動販売機から毎回係が買ってくるテープ二本と雑誌の二、三十冊を委員が見て、有害かどうか判断をし、採決をとるようになっております。ほとんど全会一致で有害図書として指定されておりますが、有害図書の指定を受けた図書については、公示されるとともに、関係機関に通達され、自動販売機に収納している業者に有害図書の撤去が勧告されるわけであります。 今日まで本県においては勧告に従って直ちに撤去されているところでございますが、指定された図書は撤去されますけれども、次回の審議会用にまた同じ販売機に買いに行きますと、違った有害図書が収納をされ、中には表紙や内容を一部変えただけのものもあるようであります。次回の審議会にまたそのものを諮り、有害図書に指定されます。このような繰り返しを、既に審議会設立後十九年目を迎えると思いますが、このような長い間やっておるわけであります。一時的に有害図書の撤去がされましても、正当な手続をもって届け出された、設置された自動販売機は、同じ場所で直ちに新たな有害図書を収納し、青少年が買いに来るのを待ち受けているというわけであります。 出版会社と本を収納する者、また自動販売機を所有する者、また設置場所を提供している者、おのおのが違ったような場合には到底この目的というものは達成不可能であります。このあたりの整理というものをやらなければ、審議会の諮問は不毛なものとして、第一条の目的とは裏腹に形骸化したまま今後続いていくのではないでしょうか。 条例の中で何か規制できる条文はないかと私なりに調べてみたのでありますが、第十二条の四「衛生用品の自動販売機による販売の制限」その二項において「その他必要な措置を命ずることができる。」として、解釈及び運用面においては「自動販売機の設置場所の変更などをいう。」とされておりますが、有害図書を相当期間繰り返し販売しているとみなされる自動販売機については、同様の適用をなすことは可能ではないかというふうに思うわけであります。いかがなものでございましょうか。 また、自動販売機に背番号をつけまして、常に有害図書を出しているのは背番号が何番で、打率はどれだけだというようなことで番号を打っておくと、その番号によって、常に有害図書を収納し、販売し続け、また青少年に有害となる物品を販売するような自販機については、設置場所の移動を含め、適切な処置が必要ではないかと思います。自動販売機もいろんな種類があるわけですけれども、連続して一定の、一つの回数というものを、同じようなことを何度も何度もやっている、繰り返しというものを考えました場合に、そういうことはできないかということであります。 いずれにいたしましても、審議会の諮問が、表紙を変えられたりあるいはまたタイトルを変えられただけで、むだな労力と時間と費用をかけることに大変この一年間腹立たしい思いがしてならなかったわけであります。現在のあり方でいいというものであるならいざ知らず実効を期待するということであれば、条例の改正は当然でありますし、法改正を含めた積極的な取り組みというものをしなければならないというふうに考えるものであります。 有害図書の指定をより効果的なものにするための自動販売機に対する規制の強化について、東瀬福祉生活部長、何かといろいろ問題があっておるようでありますけれども、どういうふうにお考えであるか、お尋ねをいたしたいと思います。  〔福祉生活部長東瀬偉一君登壇〕 ◎福祉生活部長(東瀬偉一君) 有害図書等の自動販売機の規制強化についてでございますが、昭和四十六年六月に熊本県少年保護育成条例が制定されましたことに伴いまして、少年の健全な育成を阻害するおそれのある有害図書等の指定を行いますなど、所要の措置を講じてきたところでございます。 平成元年度中に、有害図書四百八十七冊、ビデオテープ三千八本、映画百二十五本を指定いたしましたが、御指摘のとおり、新たな有害図書等が次々に店頭に出回っており、これらの出現と有害指定がイタチごっこになっている感は否めないところでございます。このため、昭和五十九年六月から少年保護育成審議会を月二回開くなどいたしまして、審議を徹底し有害図書等の指定機能の強化を図ってきたところでございます。 現行条例のもとで可能な限りの規制措置を講じておりまして、これらの規制措置等は他県に比べて厳しい方であると受けとめております。この結果、県下における図書等の自動販売機の設置台数は、昭和五十六年の二百三台をピークにいたしまして、その後減少し、平成二年五月現在の六十三台まで減少いたしておりまして、それなりの取り組みの効果は上がっているものと思っております。 ところで、条例十二条の四の衛生用品についての規定では、設置場所の変更命令ができることとなっておりますが、その前条の十二条の三の図書等についての規定では、有害指定がされました図書を収納いたしている場合には処罰されるなど、厳しい規定になっております。 図書等の場合は、表現の自由等との絡みもございまして難しい面もありますが、より効果的な規制措置を講ずるため、販売業者等に対する指導の強化、モニター機能の充実、さらには、地域ぐるみによる有害図書等の排除活動等の支援などを行うとともに、今後条例の運用面ないしは条例の規定の面からさらに勉強させていただきたいと思っております。  〔福村三男君登壇〕 ◆(福村三男君) いろいろ議会に出まして、みずからのこの任期の中でいろんなものを考えておりまして、手近なところから、腹立たしい思い、なぜこんなのが解決しないのかなというような思いから取り上げてまいったわけでありますが、今後また勉強していくということでございます。ぜひともひとつ──確かに自動販売機の設置台数というのが減少傾向になっておりますのは、その審議会の効果なのかもしれません。しかしまた、その背景においては、自動販売機でない店頭販売というものの中でも、そういうものも言えるのではないかなと、そういったようなことで、最近はよくブックセンターあたりが相当できておりますから、必ずしも自動販売機の台数が減ったことが、そういった審議会の効果をあらわしたとだけは言えないんじゃないかなという思いもいたします。 いずれにいたしましても、この審議会の一つの機能というものを再度ひとつ見直していただいて、これでいいのかということからひとつ考えていただければ、おのずからまた一歩前進ということにもなるのではないかなと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 次に進ませていただきます。 献血事業の推進についてお尋ねをいたします。 第二十六回全国献血推進大会が、来る七月十一日、皇太子殿下の御来熊を仰ぎ、本県において開催されるに当たりまして、改めて献血の意義と重要性を認識し、血液事業のこれまでの沿革を振り返るとともに、新しい医療技術の進歩と社会環境に沿った国民総ぐるみの献血事業が進められるべきであると考えるものであります。 昭和四十年二月九日に熊本県赤十字血液センターが発足し、ことしで二十五年目を迎えるものでありますが、顧みますと、献血制度がスタートするまでは、親類縁者あるいは友人といった新鮮血を提供するいわゆるまくら元輸血以外はほとんど売血によって賄われていたわけであります。日雇い労働者がその日暮らしのため、また、母親が子供のミルク代のためといったものから、競輪、競馬、あるいはアルコール中毒患者の酒代、果てはヒロポンを買う金欲しさまで、午前中は右腕、午後は左腕と際限なく売血は続き、非人間的な行為とはわかっていても、その時代においては、このような商業血液銀行によって血液が品物として売買されざるを得ない社会環境にあったのでしょう。しかし、このことが後に恐るべき感染症を引き起こす結果となったのであります。 血液銀行に対する売血は常習者が行うようになりまして、これらの人の健康問題はもちろんのこと品質が低下した血液は、御記憶のおありになる方もあろうと思いますが、黄色い血と呼ばれるようになりまして、昭和三十九年三月、ライシャワー駐日アメリカ大使の刺傷事件が発生をいたしました。このような事件に対しまして輸血の必要性があり輸血をいたしましたところが、ライシャワー大使が術後、肝炎にかかってしまったわけであります。国家的な問題になり、これから民間血液銀行の売血依存からの脱却が迫られ、同年八月、閣議の決定により、輸血用血液は献血によってすべて賄うということになったのであります。 昭和四十年、水道町に血液センターが開設された際の本県における献血第一号者は、当時の熊本県知事寺本広作氏であったというふうに聞いております。自来今日まで、県及び赤十字血液センターの努力と市町村を初めとする地域、職域、学校、婦人会など各種ボランティアグループの理解と協力によって、昭和四十六年二月までに全県下の市町村に献血推進協議会が設置され、恒久的な献血推進体制が整備されたのであります。 私も菊池市におきまして献血グループに携わってまいった一人であり、献血推進協議会の委員を務めたこともございます。ちょうど十年前、献血制度十五周年記念の県の推進大会におきましては、知事並びに日赤支部長表彰を受け、体験発表もさせていただきました。今もなおこのグループは、菊池市における献血推進の先導的な役割を担い、採血車の来る日を、事前に自費によってはがきを買って数百名の関係者に通知をする、あるいはまた献血の当日に受け付けをするといった手伝いをやっておりますが、このような地道なボランティアグループの方々の努力により、献血者は年々増加したのであります。また、このグループには日本赤十字社長賞が、また、菊池市には厚生大臣賞が贈られた経緯がございます。いささかなりとも献血日本一・熊本のお役に立っているわけであります。このような献血活動を通じて感じる事柄について述べ、またお尋ねをいたしたいと存じます。 科学がこれほどまで進歩した現在でも、血液が工場で人工的につくれない今日、救命のために欠かせない輸血用血液や血液製剤は、まさに人の善意によってのみ確保されるものであります。日本国内における血液の需要は年々増加の一途にありますが、献血者は、平成元年度は約七百八十六万人となっており、総人口の六・四%に当たる方々が御協力いただいたのであります。だれのために役立つかはわからない、しかし、このささやかな贈り物でだれかの命を救うことができるのであるならば、そんな思いで、暑い夏あるいは寒い冬、献血車までわざわざ足を運んでいただいた方々、長い献血活動の中には、いろんな方々との出会いもありました。比重不足で採血できなかったけれども、来月結婚するというときにやっと採血ができて、献血手帳を健康のあかしとしてお嫁に行くことができます、そう言った笑顔がきれいだったお嬢さんのお顔も思い出しますし、また、六十四歳の誕生日を二日後に控えて、六十四歳で献血はもうアウトになるわけでありますが、きょうがもう最後の献血になりましたと言って、七十二回目のしるされた献血手帳に目を落としておられました。本当に、この人の姿、満足感ともまた寂しさとも受け取れたわけであります。 平成二年五月現在、県内献血者数は総計二百五十一万五千人。我が熊本には、スイカやあるいはカスミソウ、またクルマエビといった農林水産物の数多い日本一がありますが、十一年にもなると思いますが、連続して献血日本一、これは熊本県政の浮揚に直接つながるものではありませんが、これこそ我が熊本が県民性を無言にして他に語ることのできる熊本の姿ではないかと考えます。崇高なボランティア精神とささやかな勇気の持ち主に改めて心から敬意を表する次第であります。 昭和四十年二月九日献血開始以来、昭和六十年には百九十万人を突破いたしまして着実に増加してきましたものの、単年度で見ますと、昭和五十九年度十九万七千人、県人口に対しまして一〇・八%をピークに減少傾向に転じております。毎年平均五千人の割合で減少し、平成元年度は十七万二千人、九・三%まで落ち込んでおります。しかしなお今日本一であります。 全体的な減少傾向の中で、二十歳から二十九歳の若年層の激減が大変気になるところであります。二十の献血キャンペーンなどによる上昇が下降に転じた背景には、若者の意識の変化、エイズに感染するのではといった誤解、さらには採血量、方法などに対する疑問を初め、二百㏄の献血が従来あったわけでありますが、加えて、四百㏄の献血あるいは成分献血、あるいはまた登録といった制度、多様なメニューとなりまして複雑化していることも原因にあるのではないかというふうに思うわけであります。 そこで、献血者数が減少していることについて、その原因と今後の対策についてお尋ねをいたします。 また、二つ目に、献血日本一の意義と今後の展開についてお尋ねをいたしたいと思います。 また、高校生の献血については、人の痛みを我が痛みとする、進んで献血に応じられる温かい思いやりを持った経験は、思春期にある高校生の人格形成に大変望ましいことだと考えますが、高校生の献血について教育長はどうお考えか。また、今後の取り組みについてお尋ねをいたしたいと存じます。 ところで、最近問題になっております血液製剤の国内自給体制、なかんずく適正使用の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 まず、献血の使途について振り返ってみる必要がありますが、献血をされた血液は、検査を受け合格した血液だけが医療用に調製されるわけでありますが、そのまま手術などの大量出血などの輸血用となる全血製剤、また、分離して血小板として白血病やがんによる血小板減少のとき出血防止として使われる血小板製剤、貧血の際などに使われる赤血球製剤、また、血漿として分離された中から血漿輸血として出血によるショックや止血に利用される血漿製剤、さらに、血漿中のたんぱく質を化学的に分画し精製したいわゆる血漿分画製剤とがありますが、血漿分画製剤は、大別してアルブミン製剤、抗グロブリン製剤、凝固因子製剤とがありますが、長期間保存可能で、しかも大変高い治療効果が得られるということで、国内における使用量は大変な量に今及んでいるわけであります。血液製剤や血液成分製剤については、国内の需要を賄う献血量に現在至っておりますが、血漿及び血漿分画製剤の国内需要を国内で賄うためには、さらに献血推進の必要性があるわけであります。 ちなみに、血漿分画製剤の我が国の使用量は全世界の三分の一だということであります。世界人口の三%にしかすぎないこの日本が途方もない血液を使っていますが、その使用量の九〇%以上を海外に依存しておりまして、そのほとんどがアメリカから輸入をしているということであります。アメリカは血を日本に売っている売血・アメリカでありますし、これを買っている日本は、買う血、いわゆる買血・日本。非難さるべきはアメリカか日本なのか、日本ではないでしょうか。吸血鬼・日本、まさに世界の非難を受けるに余りあることであります。 血液は命の源であります。日本人は金で外国人の血を数限りなく買って、世界の長寿国になってはいけないのではないでしょうか。このような状態が恒常化すれば、国際的非難はその極に達するのみならず、人命軽視の社会風潮や道義道徳の退廃はさらに加速的に進み、人心は荒廃することでしょう。なぜなら、血液の次には、既に御承知のとおり献眼があります。あるいはまた献腎があります。最近においては、心臓があり、肝臓があります。このような手術が外国に行くと受けられるわけでありますが、これら外国人の肝臓や心臓というものを移植するということは、お金で買うということにもなるのではないでしょうか。臓器移植が進めば、富める国・日本は、世界各国から臓器を集めることになるのではないでしょうか。以前においては、昔のセイロン島から眼球を買っておりました。 大和民族悠久の歴史を継ぐ真っ赤な血液も、今や世界各国の貧困にあえぐ汗と涙のまじった血液や、麻薬、性病、エイズなどを初め、いまだ解明されていない雑々たるウイルスに汚染された血液と急速に混合しつつあると思います。血友病患者が、輸入された売血によるウイルスが混入した血液凝固因子製剤を使用したことによりまして、エイズに感染したことは御承知のとおりであります。大きな社会問題になっております。 WHO、世界保健機関は、医療に使う血液はすべて献血によるべきだ、自国で必要とする血液は、その国が自給自足すべきだと勧告を発しておりますが、倫理性や安全性あるいはまた安定供給の上からも献血による血漿分画製剤の国内自給が必要であります。 このような事態の中で、厚生省は、血液事業の根本的見直しを企画し、昭和六十二年九月、新血液事業推進検討委員会を発足させ、昨年その第一次報告が厚生大臣に提出されたところであります。献血から製造、供給、使用の各段階での問題を取り上げておりますが、一貫して私が感じること、またその論理というものは、血液を金もうけの対象にしてはいけないということでありまして、一滴の血液といえども肉体の一部から成るものでありますから、そこには必然的に倫理が存在しなければならないはずだし、一滴をもむだにしないという効率性、また、善意の血液がどう使われたかといった透明性がなければならないと思います。 血漿分画製剤の乱用が指摘され、医師が医療上有効で他に治療法がないと判断する場合にのみ使用されるべきと適正使用が叫ばれておりますが、さきにも述べましたように、抗グロブリン製剤などは手術後の栄養剤がわりに使用されていると言われております。世界的な供給過剰から、販売合戦によるダンピングで、中には薬価基準の半額というものもあり、この差益が乱用に拍車をかけている傾向が強く、薬価の見直しによる乱用抑制も言われております。また、その製剤の中には、我々国民から無料で得た血漿が含まれている現実であります。無料の血漿をもとに多額の利益を得ていることは到底理解できないのであります。アルブミン、グロブリン製剤の原料血漿の国内自給は目標年度の予測すら立たない現況の中に、献血離れの要因となることは極力排除しなければならないと思います。 今後さらに、献血は従来に増した多くの国民、県民の協力を仰がなければなりません。少なくとも本県においては、献血された方々に血液の行方を経済的な行為も含めて知らせるべきではないか。複雑な血液事業ではありますが、献血者が主体の血液事業であることを忘れてはならないと思うのであります。 このような視点から、本県における血漿分画製剤の適正使用についてどのような指導がなされているのか。また、献血血漿製剤と民間企業の輸入による血漿製剤の流通及び価格形態はどのようになっているのか。最後に、献血者に対する血液の行方を透明にすることについてどのようにお考えか、星子衛生部長お尋ねをいたします。  〔衛生部長星子亘君登壇〕 ◎衛生部長(星子亘君) 本県の献血事業につきましては、県民各位の御理解と御協力に支えられまして順調に進展してきたところでございます。改めて県民の方々の地道な奉仕活動と積極的な参加に対し感謝を申し上げます。 お尋ねの一番目、献血者数の減少の原因と今後の対策についてでございますが、昭和六十年度は三万三千七百三十八人という数で、その中の献血者総数の一七・六%を初回献血者が占めておりました。平成元年度には、この数が一三・四%となりまして、このように初回献血者数が減少したということが献血者数減少の原因の一つではないかと考えております。また、血液の有効利用を図るために、昭和六十一年の四月から四百ミリリッターの採血、これまでは二百ミリリッターだけでございましたが、その四百ミリリッター採血及び成分採血ということがなされるようになりましたので、回数として減少してくるということも原因となったと考えられます。そのほか若者の意識の変化等も考えられます。 そこで、県といたしましては、県民に対して、献血の重要性を改めてあらゆる機会に啓発してまいりたいと思いますし、二番目に、市町村担当者研修会を実施すること、三番目に、献血者登録制度推進員の活動をさらに強化すること、四番目、若者を対象としてのイベントを開催する、五番目、新採血基準導入のメリット等をわかっていただくために、十分な情報の伝達、提供を行う等の積極的な施策を今後とも実施したいと考えております。 二番目の献血率日本一の意義と今後の展開についてでございます。本県は、昭和五十四年度から連続して十一年間、日本一の献血率を維持しておりまして、全国から熊本県民の隣人愛、相互扶助の精神について高い評価を受けております。今後とも高い献血率を維持していくよう努力してまいります。 四番目の血液製剤の国内自給体制と適正使用についてでございますが、全血製剤と血液成分製剤は献血によって供給されておりますが、血漿分画製剤については九〇%が輸入に依存している現状がございます。国におきまして、血漿分画製剤のうち、緊急性の高い血友病患者に不可欠な血液凝固因子製剤について、平成三年度までに血漿五十万リットルを国内で献血によって確保することといたしております。また、血液製剤の使用の適正化についてでございますが、国におきまして、血液製剤使用適正化普及事業を新たに設けてその推進を現在図っているところであります。 五番目の本県における血漿分画製剤の適正使用に関する指導についてでございますが、昭和六十一年に熊本県医師会と血液製剤を多く使用する七医療機関との検討会を開催いたしまして、翌昭和六十二年には二百三十九の病院を対象に、また、六十三年には一千三百余の診療所を対象に適正使用についての周知徹底を図ってまいりました。本年は、これらの実績を踏まえてさらにこの趣旨を徹底させていくつもりでございます。 六番目の献血血漿製剤と民間企業の輸入による血漿製剤の流通についてでございますが、献血による血漿分画製剤は日本赤十字社と民間の製薬企業において製造され、日本赤十字社と民間の医薬品卸売業を通じて供給されております。輸入による血漿分画製剤には原料輸入と製品輸入とがありまして、民間の製薬企業及び医薬品卸売業を通じて供給されております。また、価格についてでございますが、国が二年ごとに薬価調査を実施し、実勢価格に応じて価格改正が行われる仕組みになっております。 七番目の献血者に対して血液の行方を明らかにすることについてでございますが、国におきまして、この点も考慮した上で、献血の需給調査、供給について、財団法人血液製剤管理機構を設置する意向がありまして、県におきましては、そのような国の意向を踏まえて適正に対処してまいりたいと考えております。  〔教育長松村敏人君登壇〕 ◎教育長(松村敏人君) 高校生の献血についてお尋ねがございましたが、相互扶助の精神に基づいて行われております献血は、他を思いやる心と人間尊重の精神をはぐくみ、人間として、人のため、社会のために尽くす実践的態度を養うものでございまして、その推進は教育上極めて意義のあるものと認識をいたしております。高等学校におきましては、献血運動の意義にかんがみまして、生徒会活動や学校行事、それに青少年赤十字活動の一環といたしまして、校内献血運動を積極的に推進をしているところでございまして、献血率も徐々にではございますが上昇をしているところでございます。 今後とも、人類の福祉に貢献できる有為な人材を育成いたしますために、献血思想の普及に努めまして、その定着を図るべく啓発活動をより一層推進してまいりたいと存じます。  〔福村三男君登壇〕 ◆(福村三男君) それぞれに御答弁をいただきましてありがとうございました。 ちょうちょうと述べてまいりましたけれども、要は、献血というものの一つの重要性というものを再度改めて考える、そういうひとつの推進大会を契機とした取り組みが望まれるのではないかなと思います。乱用という一つの言葉も使いまして、啓蒙啓発の一番大事なときにちょっと水差すようなこともありましたけれども、一つには、献血をした人たちが、本当によかったなあというような、そんなさわやかな気持ちになるようなことに持っていかなきゃならないということが、一つ大きなことではないかなと思います。 最近、外国の、アメリカの血液が大量にこの日本に入ってきているということでありますが、また一面において、これはベトナム戦争によって大量の血漿分画製剤が使われておった、それがベトナム戦争以後、その使用というのがアメリカ国内で少なくなってきた、そのことが一つの日本に対する進出という形にもなってきたんであろうと思いますが、この後、ただいま御指摘ありました新血液事業推進検討委員の厚生省のつくった委員会におきまして、今後の一つの血液事業というものは、すべてを一つの日赤ブランドとしてやろうということになっておるようでございますので、それに対応するような形で県内の献血推進というものをやっていただきたいと思います。 血漿分画製剤の乱用と言いますけれども、適正使用というものがやはり必要でありまして、現場におられる、医業についておられる方々がその適正使用の枠に余りに抑えつけられるような形になりますと、もうかえって使わない方がいいということになってはまたまずい結果にもなりかねないわけでありますので、よろしく今後ともの御指導をお願い申し上げたいと思います。 次に進みます。 再度衛生部長に御登壇いただきますが、県立富合病院の役割と経営の改善についてお尋ねをいたしたいと思います。 医療という特殊な、しかも高度で複雑な分野についてのお尋ねでありますから、私の質問そのものに的確性を欠いた点もあろうかと存じますが、その点御了承、お含みおきの上、執行部におかれましては、特に注釈あるいは解釈つきの御答弁をお願い申し上げます。 大正八年、精神病院法の施行によって、精神病に対する公共の責任として公的病院を設置する考えを初めて国が明らかにしたにもかかわりませず、精神衛生法が昭和二十五年に制定され、精神病院の設置が都道府県に義務づけられるまで三十年間遅々として公的精神病院の設置は進まず、この間、精神障害者はおのおのの家庭に監置されていたということであります。 本県での公的病院の設置は、これよりさらにおくれ、昭和二十九年三月、やっと下益城郡小川町に小川再生院が開設されております。その後、桜ケ丘療養所が廃止統合され、精神、神経、内科、呼吸器科を診療科目として、昭和五十年十一月一日に県立富合病院が開設されたと伺っております。 自来今日まで県下における精神医療の中核的役割を果たしてきましたが、医療システムの変化と施設や医療機器の老朽化などに伴う経営効率の低下により、近年経営改善の必要性が叫ばれるようになったのであります。 御承知のとおり、昭和六十三年八月、富合病院検討委員会が設置され、昨年五月、その結果が報告されたところでありますが、これまでにも、昭和五十九年三月、全国自治体病院協議会によるところの県立富合病院経営改善診断書、また六十年七月には、公営企業等経営改善検討会より県立富合病院の経営改善についてなど、幾つもの専門的立場からの経営改善の提言がなされ続けてきたところであります。さらには、ここ数年来、厚生常任委員会や決算特別委員会において必ずと言っていいほどこの問題が論議され、本会議におきましてもたびたび取り上げられてきたところであります。また、監査委員の決算審査意見書にもその改善について述べられております。 順を追っていきますと、なぜ経営改善の必要が生じたのかというのは、今幾分述べましたけれども、初歩的なことでありますけれども、端的に述べて、毎年の経営収支が赤字の連続にして増加の傾向にある、これを補てんするため、一般会計から毎年多額の繰り出し金がなされている、この一般会計に依存する経営の体質を何とか変えなければならない、ここから経営改善の必要性が生じてきたと思います。もちろん、ほかにも法の改正や保健医療計画との整合性、あるいは精神障害者の医療ニーズの変化、取り巻くもろもろの状況変化に対応するためなど、改善の重要性もありました。一般会計依存体質の脱却は果たして可能なのだろうか。一体どれくらいの繰り出しがなされているのか。 ちなみに、富合病院の開設以来、熊本県一般会計から繰り出された補助金及び出資金の金額は、次のようになっております。昭和五十年開設当初四億五千百万円、翌年五十一年三億六千二百万円、五十二年四億二千八百万円、五十三年三億五千六百万円と続きまして、ごく最近、六十三年は四億六千三百万円、平成元年は四億二千六百万円。この合計は、驚くなかれ五十八億九千五百万円余となっておるわけであります。 私も幾たびか病院を視察させていただきましたが、患者や一般職員の方々はとても明るく笑顔でありましたが、病院の経営状態を知られている立場にある院長初め幹部の方々の顔色というものは、まさに生気がなかったようでありまして、どちらが患者なのかというぐらいの感じであります。私の診断によりますと、これは赤字潜在型、赤字が潜在して赤字潜在型ですね、赤字潜在型言語萎縮症と見立てたわけであります。病状の回復に希望を託するためには、極めて長期間、熊本県の一般会計の、A型の、安定かつ、逐年、毎年増加方式の輸血が必要だというふうに診断をいたしました。なお、短期間における回復を望むなら、これはもう外科的な処置以外にないわけでありますが、これにはかなりの決断と勇気が必要とされます。可能な部分の民間委託、配置転換、経営効率を考えた増床あるいは減床などであります。 例えばその一例として、一般会計A型輸血を毎年一定量、これは献血続きばかりでありますけれども、続けるなら、むしろ予測される十年間の輸血必要量を、六十億を先んじて輸血する方法であります。一般会計からの繰り出し金で赤字を補てんしてきましたが、生命維持装置にはなっておりますけれども、この十年間、何ら富合病院の経営改善にはなっていないということであります。これから同じように十年間、一般会計から約六十億円の予算が、貸し付けであれ補助であれつぎ込まれるとするならば、くまもと21ファンドや環境保全基金などのように基金運用すれば、元本を六十億としても、年利六%、年間三億六千万円の果実が生まれ、将来にわたって赤字解消になり得るのではないか。 今年度から、自治体が負担すべき経費については負担金として、補助金や負担金に属さない費用は貸付金として会計処理されますが、それでも理屈は同じではないでしょうか。貸付金についていえば、検討委員会の財政計画試算からいたしましても明確なように、将来回収することは、かなりの経営努力をされてなおかつ極めて困難ではないかというふうに思います。 昭和五十九年三月の県立富合病院経営改善診断書の報告によりますと、いろいろ述べてありますけれども、入院患者数は二百四十人台で増加傾向にありますものの、若干余剰傾向にある看護職員を吸収するために、当時二百五十床のベッド数を、特殊医療病棟をおおよそ五十床増床し、三百床とすべしと診断報告されております。増床の診断をされております。また、翌六十年七月、県立富合病院経営改善についての提言におきましても、人的問題については、長期間勤務者が多く、職員数が業務量に比べ若干多いため、その分人件費が経営を圧迫していると述べ、解決策として、当時二百五十床のベッド数を十五床増床し、二百六十五床とすることを提言し、現在そのようになっております。配置転換による減員か増床か、二者択一の中で、配転は困難なため増床になったのではないか。ほかに給食部門の業務委託や現業部門の民間委託の実施が述べられております。 平成元年三月のその「富合病院検討委員会報告書」は、これらの提言を受け、さらに経営改善の方策を検討し、精神医学の進歩に対応できる公立精神病院としての機能を十分発揮し得るよう見直しがなされた報告書であるわけでありますが、ここでは、病床数を現在の二百六十五床を二百十床に減少させる試算が行われておりますが、前段のおのおのの報告書と全く逆の方策を考えておる結果になっております。 今後の富合病院の役割と機能が県内精神医療における中核的医療機関として方向づけられていることから、精神科二次救急医療体制の整備や法改正に伴う精神障害者の人権擁護の推進と社会復帰の促進といった観点から、今日までの入院治療主義からデイケア、通院といった診療に移行していくものと思いますが、執行部におかれましては、どのようにお考えでしょうか。また、そのための施設整備計画はどう進められるおつもりか。また、ベッド数はおのおのの報告書及び保健医療計画を勘案されたものと思いますが、設定の基礎をお伺いいたします。 全国の精神病患者数は、治療を受けている人が約百七十八万人、熊本県の患者数、治療を受けている人約二万人、うち入院約九千人、通院約一万一千人と聞いておりますが、富合病院のような自治体病院では、開設が大変古いため、五年あるいは十年の長期入院者が増加し、患者が固定化し施設化の傾向が進んでいると言われております。共同作業所や小規模作業所など、社会復帰のための受け皿づくりを進め、施設化や暗いイメージを払拭し、早期退院を図るべきであります。富合病院の場合、一日外来数は平成元年三十二・八人から平成二年二月には三十五人に増加をし、また、長期入院患者の中で五年以上の割合が四八・九%から四九・八%と微増したものの、十年以上の割合は三五・一%から三四・二%に微減いたしております。また、一年以内の早期退院者は八〇%台にあると聞いております。 九州の県立精神病院の中で、十年以上長期入院患者の割合の最も高いところは六六・五%にも及んでおります。施設化の傾向が進んでいるということであります。入院及び外来状況を見てみますと、昭和六十三年で病床利用率は九四・六%と大変高度な利用が図られ、外来者数は徐々に増加し、平成元年度にはついに一万人を超えた外来であります。病院内部の努力を高く評価するものであります。 そのほかにもそれなりの努力がなされているようでございまして、昨年十月、熊日新聞に「精神科・富合病院の試み」との見出しで「精神医療が入院中心から地域内での自立を促す方向に変わっている」社会環境の中で、「唯一の県立精神科病院である富合病院」が「訪問看護や夜間外来を新設するなど医療体制の充実を図った。」と掲載され、その成果が注目されているところでありますが、訪問看護は、退院者を中心に外来受診や投薬の途絶えている患者を対象とされ、そのままにしておけば再発、入院の悪循環に陥りかねないし、社会復帰を確実なものにするためのアフターケアであり、また、夜間外来は付き添い家族のための便宜を考えたものであり、重ねて病院関係者は大変な努力をされているものと評価いたします。また、富合病院は開設十五年目を迎え、施設や医療器材の老朽化が進む反面、新しい精神医療への脱皮を迫られ、一大改革を必要としていると言えます。 経営改善のためには、もちろん内部の見直しも必要であります。例えば単純に人件費について見ますと、手元の六十三年度の決算書から、給与費が十億三千三百八十三万三千円余が支出されております。六十三年三月三十一日現在の職員数は百四十一名でありますから、年間一人平均七百三十三万二千円の支給になり、毎月一人平均六十一万一千円、職員に払われているということであります。百四十一名中看護婦が大半の九十名を占めておりますが、一例に、四十二歳、二十年勤務の准看護婦で月額三十二万一千円であります。このような高給与水準は、さきに述べますように、二つの施設、病院の合併による長期勤務者が転勤がないまま固定化している結果であるとともに、公務員給与によるものであります。実に診療報酬等の医業収入に対しまして一一六・三%と、医業収入では月々の人件費も賄えない状況になっております。医業収益がこの数年平均して千五百万円余りの増収になっている病院内部の努力にもかかわりませず、昭和六十二年度給与費は九億七千五百六十八万三千円で、対医業収益比率は、やはり一〇〇%を超えて一〇八・三%ですから、八ポイントほど上昇し、給与費が六十二年度、六十三年度では五千八百十五万円増加し、せっかくの内部の努力も、必然的に収益上昇分は人件費に食われてしまっている結果となっております。全国あるいは九州各県の自治体精神科病院決算状況を見ましても、もちろんいずれの精神病院も赤字でありまして、他の会計から補助金や負担金によって補てんされていますものや、補てんし切れず欠損金として三十数億円以上も抱えているところもあります。 精神保健法により、国は、精神保健法第四条において「都道府県は、精神病院を設置しなければならない。」とうたっております。なのに、地方自治体の財政硬直化の中にあって、その経費は負担しないのかといった単純な疑問が沸くわけでありますが、調べてみますと、法第六条において「国は、都道府県が設置する精神病院及び精神病院以外の病院に設ける精神病室の設置及び運営に要する経費に対して、政令の定めるところにより、その二分の一を補助する。」と明確に定めてあります。措置入院の場合には十分の八を国が負担すると、こうなっております。他県の場合も、決算状況を見る限り国庫補助の受け入れはもちろんあっておりませんが、これまでなぜ補助金交付がなかったのか。また、このような全九州、全国的な地方自治体の問題として、どのような国に対する働きかけがなされたのか、なされなかったのか。今後の対策を含め御答弁をお願いいたしたいと思います。 最後になりましたが、さきに述べましたように、今後富合病院が公的な役割と機能を安心して果たしていくために経営安定基金を開設するようなことはできないのか、あわせて星子衛生部長お尋ねをいたします。  〔衛生部長星子亘君登壇〕 ◎衛生部長(星子亘君) 富合病院の役割と経営改善についてのお尋ねでございますが、本県の精神医療における県立富合病院の役割につきましては、これまでいろいろと検討されてまいりましたが、昭和六十二年に精神衛生法から精神保健法への法改正が行われまして、その新たな法の趣旨にのっとって、平成元年五月に「富合病院検討委員会報告書」が提言されました。 その趣旨は、一番目、休日、夜間における救急医療への対応、二番目、民間病院で処遇困難な急性期患者への対応、三番目に、社会復帰促進のためのデイケアの充実でございます。この提言を踏まえまして、救急対応及び短期集中治療の急性期病棟の整備、二番目に、外来医療充実のための外来部門の整備、三番目、社会復帰促進のためのデイケア施設の整備について、現在検討を進めているところでございます。 また、同報告書は、病床数を現在の二百六十五床から二百十床に減床するよう提言しております。現在これらの提言に基づきまして病院の役割の見直し及び経営計画を検討しているところでありまして、福村議員の御提言の趣旨を含め今後検討してまいりたいと存じます。 次に、県の精神病院の病床数についてでございますが、現況では、本県の人口一万人当たりの精神病床数は全国平均を上回っておりますが、その上ほぼ満床状態でございます。保健医療計画の必要病床数は、新しい精神保健法にのっとり、精神病を急性の疾患としてとらえ、早期回復を目指し社会復帰を促進していくとの考え方で、国が示しました算定方式をもとに算定されたものでありますので、現在の病床数より少なくなっております。しかしながら、現に入院している方々を初め、患者の方々の不安のないよう慎重に対応を進めてまいりたいと考えております。 精神保健法第六条に基づきます国の都道府県に対する補助につきましては、現在のところ精神病院の設置に対する補助のみがなされておりまして、運営費については昭和三十六年以来行われておりません。このため、県としては、これまで補助制度の実効ある運用につきまして、全国衛生部長会並びに全国自治体病院開設者協議会等を通じて要望をしているところでありまして、今後とも国に対して強く働きかけてまいりたいと存じます。 また、抜本的な赤字対策として基金造成の御提言につきましては、独立採算制を原則としている病院事業会計への赤字補てんを目的とした基金を創設するということは、なかなか難しいと思われますが、一般会計との間の適正な負担区分のルールの確立につきましては今後努力してまいりたいと考えております。  〔福村三男君登壇〕 ◆(福村三男君) どうもお答えありがとうございました。 保健医療計画におきます精神保健の現状、課題というものを要約いたしますと、ただいま述べておられましたように、人口一万人当たりの在院患者数というものが四十八・二人と、全国平均の二十八・二人よりもはるかに本県は多いと、全国第六位となっております。高齢化の急速な高まりとともに、近年老人性の痴呆症などの老人精神障害者及びアルコールや薬用などの中毒性精神障害者が増加傾向にありまして、精神障害者は増加していくものと考えられております。 このような中でベッド数が減るということは、国の一つの計算基礎によるものということではありますが、地域の特殊性というものもあるわけでありますし、医療計画の中におきましても、今後の患者数の伸びというものは、入院あるいはまた外来ともに増加するというふうに指摘をされております。また、中毒性患者と老人性の痴呆症患者というものが同じような部屋に入るということはできないわけでありますから、そういったことも考え合わせながらお願いしたいと思ったのでありますが、次の要望の方に進ませていただきたいと思います。 要望を質問に時間があるなら変えようと思ったんですが、建設の指名の問題についてでございますが、指名競争入札については、これは昨年の六月に質問をいたしまして何かと物議を醸したんでありますが、要望をしたいというものは、菊池土木事務所におきますところの、前回にも述べましたように、大変不利益をこうむっている方々がたくさんおられるということでございます。 委員会がその後行われまして、大西委員長、岩下副委員長さん初めとする委員の皆さん方の何かと委員会における積極的な取り組みによりまして、大きくその運用が変わってまいりまして、今まで四十八社だったと思いますが、しか指名が入ってなかったのが、新たに指名に入った方が五十数社になっておりまして、逆転したというような感じであります。それがなぜそうなったのかというのは、前回も述べましたとおりでございます。 そこでまた、もう一つ問題があるわけでありますけれども、規模別等級表に基づく指名業者の選定というのが今なおまだ行われていないというふうに指摘をいたしたいと思います。 それから、協会員と非協会員の区別というものは、指名においては解決をいたしましたと思いますけれども、そのようなことがないように今後ともお願いいたしたいと思います。 それから、前回の質問の際に指摘をしておきました舗装業者のいわゆる受注というものが一社に集中して受注されていると、そういう事実を述べまして、土木事務所における発注の中において九〇%を超える高い一社集中の受注がなされているということについての指摘をしましたけれども、なおまだ改善がなされておりません。その後、この五月、昨年一年間の分を、平成元年のものをちょっといただいたんでありますけれども、土木事務所で発注されたのが、件数にして三十二件、二億三千四百万円ほど発注をされておりますが、その中で、三十二件中三十件をやはりこの同一業者が受注しておりまして、私が指摘した以上に、またさらに受注率が高くなったということであります。逆に行っております。二件だけほかの業者が受注をされておりますが、金額にして二億二千三百万円余りを一社が受注し、ほかの二社が約一千万円をとっているということでございますから、大変おかしな状況であります。 日米構造問題協議の中でも特に市場開放というものが叫ばれ、市場問題というのが指摘をされております。公共的な入札のあり方というものに非常にきょう疑問を投げかけておるわけでありますけれども、行政の不信につながりかねない問題でありますので、ぜひともひとつお取り組みをお願いをいたしたいと思います。 それから、県道の改良促進について、お願いを一、二させていただきたいと思います。 まず、県道鯛生菊池線の整備についてでございますが、今まで二回ほど質問なり要望してまいりましたが、この整備については、昭和四十五年の竜門ダムの建設以来、これに関連して、そのつけかえ道路としてダム建設とあわせてその整備が進められているところでございますが、この五月にはダムの定礎式が盛大に行われまして、いよいよダム本体も本格的建設に入り地元としてはまことに喜ばしい限りでございますが、また、ダム建設と同時に整備が図られておる本つけかえ道路も歩調を合わせるように本格的に整備促進が図られておりますが、この整備により菊池温泉と将来のダム湖周辺や大分県の鯛生金山、日田とを結ぶ新しい観光道路として産業、経済面での交流などが期待される次第であります。地域住民の一人として、この区間の整備が早急に促進が図られることをお願いするとともに、つけかえ道路から穴川鳳来を経て県境に至る区間についても、今後いろいろとルート選定など問題があるかと思いますが、この区間の整備も引き続き促進されることを強く要望いたします。 続いて、原立門線の菊池高原カントリークラブ付近から県境までの整備について御要望いたします。大変困難な所でありますが、この道路は菊池市立門の国道三百八十七号線から県境に至る道路でございます。現在菊池高原カントリークラブ付近を改良中になっておりますが、御承知のとおり大分県側にサーキット場の建設が進んでおります。十月にオープンの予定でありますが、通行車両は激増し、このままでは地域住民の生活に重大な影響を及ぼしかねないので、県境までの整備を早急にお願いいたしたいというふうに要望いたします。 さらに、産業廃棄物の処理については、きのうそれぞれ先生方から御質問が代表質問で出ておりましたので、私の方は昨年一年間産業廃棄物の問題に明け暮れたようなことでございました。いろいろと執行部の皆さん方には申し上げてきておりますが、いわゆる公共関与というものを、きのうの知事のお答えの中にも、二歩も三歩も入り込んだような形でひとつ検討したいと、委員の皆さん方を選考して九月までにはめどをつけたいというようなお話も出ておりました。ぜひともひとつこの公共関与の処理計画というものが具体化するようにお願いをいたしたいと思います。 さらにまた、昨年は県下の市町村をブロックごとに市町村の連絡協議会というものをつくって、それぞれの地域に発生する産業廃棄物について検討を重ねていくというような処理場取得を含めたお話になっておったわけでありますけれども、今なおその設置が見られていないようでありますが、これを速やかにつくる、そして産業廃棄物ということだけでなくて、一般廃棄物も産業廃棄物も含めた一つのその地域内における発生するごみというものの処理体系というものを考えていかなければいけないんじゃないかなと。今、法そのものが、一般廃棄物は地方自治体で、産業廃棄物は発生させる企業において処理しなさいと、こうなっておるわけでありますから、その辺において一般廃棄物と産業廃棄物がこう区別されております。そういうことになれば、なかなか地方自治体の市町村の取り組みも手ぬるかろうと思いますので、一般も産業廃棄物も含めたところで、市町村連絡協議会の枠の中でひとつ話を進めていただければいいんではないかなと思います。菊池の市議会の方からも意見書というものがたしか提出をされていると思いますが、よろしくお取り扱いのほどお願い申し上げまして要望を終わらせていただき、なおまた私の一般質問を閉じさせていただきたいと思います。 長時間にわたりまして御清聴いただきまして心から感謝申し上げます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(北里達之助君) 以上で本日の一般質問は終了いたしました。 明十七日は県の休日のため休会でありますので、会議は明後十八日午前十時から開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第四号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午前十一時三十四分散会...